原発事故から被曝労働まで 人間の絆分断に警鐘鳴らす 仏教タイムズ 1月26日: 超宗派の有志が参画する「原子力行政を問い直す宗教者の会」は17日、東京・文京シビックセンターで公開学習会「宗教者として取り組む原子力問題」を開催した。メイン講師の長田浩昭共同代表(兵庫県篠山市・真宗大谷派法伝寺住職)がお通夜のため急きょ不参加となったが、それでも会場は満席の60人を超え、作家や哲学者、ジャーナリストも聴講に訪れるなど関心の高さをみせた。 大河内秀人共同代表(東京都文京区・浄土宗見樹院住職)が挨拶。「福島の人が完全に地元を離れることは難しい」という現実に鑑み、昨夏、北海道に子どもたちを一時疎開させて汚染を軽減させた試みを報告した。 続いて長田氏のビデオレターが放映された。「原発は人と人との絆を切り刻んでいく」とし、約45万人(累積)の被曝労働者も宗教者として救わねばならないと説いた。 また、石川県珠洲市での原発反対運動の際に、電力会社が「原発内の作業は珠洲市民以外の人にやらせます」と言ったことに「お前らそれでも人間か!」と衝撃を受けたという。「自分たちは原発の被害者だと考えていたが(被曝労働者を生み出す)加害者でもあった」と語った。 内藤新吾共同代表(千葉県松戸市・日本福音ルーテル稔台教会牧師)は静岡・浜岡原発の危険告発に長年取り組んできた活動を報告。原発交付金の中毒性や、被曝労働者の記録そのものが抹消される危うさなどを次々に批判。さらに「もんじゅ(高速増殖炉)は異常の極み。なぜ、やめるという決断ができなかったか。そこには核兵器製造のためにプルトニウムを欲しがる英米との軍事同盟の関係があったからではないか」と指弾した。 一方、福島県南相馬市にある曹洞宗同慶寺の田中徳雲住職は、被災地の立場から発表。原発事故直後の電源喪失を耳にして即座に家族全員で福井まで避難したという。しかし、放射能の危険性を理解しつつも、檀家の求めに応じて帰坊を繰り返さなければならないことによる心の葛藤を率直に告白。「檀家さんは、『和尚さん、よく戻って来てくれたねえ』と迎えてお茶を出してくれる。そのお茶も汚染された水で淹れられているはず。でも、そこで飲まなかったら住職じゃないですよ」と吐露した。 福井県敦賀市の岡山巧共同代表(真宗大谷派西誓寺住職)も被曝労働や人との絆が分断されることを危惧。「人間はどんどん進歩していくという誤解がある。『私』がいかに真実でなかったかを気付かせるのが仏教ではないか」と述べた。 質疑応答の際には、会場にいたNPO法人TEAM二本松の畠山浄氏(石川県七尾真宗大谷派常福寺副住職市)が発言し、粉ミルクからセシウムを検出した取り組みなどを説明。「私たち一人一人が少しでも除染をしていく、出来ることをやっていくことが大切です」と訴えた。 公開学習会 宗教者として取り組む原子力問題 原発立地の苦しみを分かち合い、共に生きるために ヒロシマ・ナガサキそしてビキニを経験し「非核」を誓ったはずのこの国が、またしても多くのヒバクシャをつくり出し、国土を汚染し、いのちと未来に量り知れないダメージを与えてしまいました。そして、生命尊重を旨とする宗教者が、かつての戦争を止めることができなかったと同様、原発を容認し悲劇を招いてしまった責任を問われています。 もはや昨年の3月11日以前に戻ることはできませんが、自然や弱者に犠牲を押し付ける経済最優先の価値観を改め、同じ過ちを犯さぬよう、私たちが見てこなかった現実に眼を向け、本来の人間としての生き方を、今こそ取り戻さなくてはなりません。 そのために、長年、原発の立地地域で僧侶として住民や被曝労働者と向き合い、原子力行政を問い続けてきた経験とビジョンを聴き、苦しみや不安、絶望の中からも、希望と前向きな力を絞り出して行きたいと思います。 ■講 師 長田浩昭(真宗大谷派僧侶・原子力行政を問い直す宗教者の会 事務局長) 【おさだ・ひろあき】石川県珠洲市生れ。同県能登町長慶寺住職在任中に計画された珠洲原発に対し仏教者として反対行動に関わる。1993年、高速増殖炉「もんじゅ」の初臨界を受け「原子力行政を問い直す宗教者の会」の結成に参加。現在同会事務局長。3・11以降、福島県の子どもたちの避難・保養事業など、子どもや若者・妊婦などを被曝から守るための活動に積極的に取り組む。全国各地で原発が持つ問題について講演を行なっている。現在は兵庫県篠山市法傳寺住職。 ■日 時 1月17日(火)午後7時〜9時 (開場6時30分) ■会 場 文京シビックセンター 4F シルバーホール(東京都文京区春日1-16-21) 東京メトロ 後楽園駅・丸の内線(4a・5番出口) 南北線(5番出口)徒歩1分 都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線(文京 シビックセンター連絡口)徒歩1分 JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分 ■参加費 500円(資料代等) ■共 催 フォーラム「原子力と宗教」、JNEB(Japan Network of Engaged Buddhists)、見樹院 ■問合せ Eメール:kenjuin@nam-mind.jp 、電話 090-3213-4575(大河内)
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震災と宗教を考えるシンポジウム2011
もうひとつの生き方を探る 特別基 調 講 演: A・T・アリヤラトネ (スリランカ・サルボダヤ会代表) 2011年3月11日、日本は千年に一度とも言われる未曾有の災害にみまわれました。加えて原子力発電所の事故により、多くの方が苦難の日々を今まさに過ごしています。突然家族を失った方々の深い悲しみ、住む家を追われ流浪の日々を送る方々の不安、それらの思いは察するに余りあるものがあります。 3月11日以後起こったさまざまな出来事は、被災地の方々のみならず、日本人すべてに大きな問いかけを発しているように思われます。それは、私たちの生き方そのものについての問いかけであるように受け止められます。 経済発展のみを目的としたグローバリゼーションは、世界的な規模で地域経済・共同体・伝統の崩壊を引き起こし、途上国における貧困・紛争・環境破壊はもとより、日本をはじめとするいわゆる先進国においても、格差社会などの問題を生み出してきました。モノ・カネを物差しとした目先の幸福を追求する価値観は、もはや限界に来ているように思われます。 3・11は、そのような私たちの生きる価値観そのものを問い直すよう促しているように思われてなりません。今回のシンポジウムでは、持続可能な共生社会を作るための新たな価値観を見いだし、宗教の可能性を考え、日本人が「もうひとつの生き方」を歩み出すためのきっかけ作りにしたいと考えます。そのことが、震災でお亡くなりになった数多くの方々のいのちをつなぐ、真の意味での供養になるものと信じるものです。 パネリスト: 玄侑 宗久(作家・政府復興構想会議委員) 杉浦 正健(弁護士・元法務大臣) 高木 慶子(上智大学グリーフケア研究所所長) 島薗進(東京大学教授、宗援連代表、実行委員長) コーディネーター:神仁(全青協主幹、実行委員会事務局長) 期日:2011年10月10日(月曜日・祝日) 13:00受付・13:30開会・17:00閉会 会場:大本山増上寺 大殿 地下1階「三縁ホール」(東京都港区芝公園) 参加費:1000円(協力金として) 主催:「震災と宗教を考えるシンポジウム2011」実行委員会 実行委員会事務局(全青協内) TEL:03-3541-6725 FAX:03-3541-6747 e-mail:gbs@zenseikyo.or.jp 呼びかけ団体: 一般社団法人サルボダヤJAPAN、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会、財団法人 浄土宗報恩明照会、宗教者災害支援連絡会(宗援連)、 財団法人 全国青少年教化協議会(全青協)・臨床仏教研究所(実行委員会事務局) 講師&パネリスト プロフィール A・T・アリヤラトネ:スリランカ・サルボダヤ会代表。仏教精神による農村・地域開発の先駆者。世界各地でサルボダヤ・シュラマダーナ運動を提唱。スマトラ島沖大津波に際しては、物心両面で被災者のケアにあたり、新たなコミュニティーとしての「エコビレッジ」の建設などに取り組んだ。マグサイサイ賞、ガンディー平和賞ほかを受賞。 玄侑宗久:作家・花園大学客員教授。生死をテーマとして多くの作品を執筆。芥川賞・文藝春秋読者賞などを受賞。東日本大震災を受けて、政府復興構想会議委員などを務めている。 杉浦正健:弁護士・一般財団法人杉浦ブラムチャリヤ代表理事。小泉政権下で法務大臣を務め、在任中一貫して死刑命令執行書への署名を拒否し続けた。 高木慶子:上智大学グリーフケア研究所所長・上智大学特任教授。「生と死を考える会全国協議会」会長。震災や津波で家族を亡くした方々のグリーフケアを中心に積極的に活動を続けている。 島薗進:東京大学教授。日本宗教学会会長。シンポジウム実行委員長。東日本大震災を機に「宗教者被災地支援連絡協議会(宗援連)」を立ち上げ、宗教者の連帯による被災地支援を呼びかけている。 神仁: 臨床仏教研究所上席研究員、実行委員会事務局長。被災した子どもや高齢者のこころのケアにあたる他、「福島子ども妊産婦支援プロジェクト」を立ち上げ、全国の寺院への疎開を進めている。
INEB創立者「スラック・シワラック氏」7/24京都、7/26東京
USTREAM 録画 ポスト311を創る~ しあわせの開発学 7/24京都 7/26東京 311以後の世界をどうやって生きていくか。グローバリズムや競争社会、 消費主義にかわる、「つながり」や芸術や土に触れる時間を大切にする暮らし。 私たちは誰でも、それを手にすることができるのです。 「ポスト311を創る」シリーズは、様々な分野のカルチャー・クリエイティブ(文化創造者)たちを お招きし、生き方=働き方・暮らし方を学びあう場。今回は、エンゲージド・ブディズムを提唱し、 東洋的な思想をもって社会変革に関わり、第28回庭野平和賞を受賞された、アジアを代表する 環境・平和活動家、スラック・シワラックさんをお迎えします。 スラックさんと辻信一さんを引き合わせたのは、最新作の映画「幸せの経済学」が話題の ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん。地域住民や若い世代を巻き込んで、シャム(タイ)らしさ、 ローカルにこだわった社会変革モデルに、私たちが学ぶところは大きいでしょう。 辻信一さん翻訳による『しあわせの開発学ーーエンゲージド・ブディズム入門』(1000円+税、 ゆっくり堂)出版記念も兼ねての会。京都、東京の2ヶ所で開催します。 ぜひお誘いあわせの上、ご参集ください。 Sulak: Happines lies “beyond GDP” (BBC TV Hardtalk 6/28) ■京都イベント 日時:2011年7月24日(日)14時~16時(13時半開場) 会場:知恩寺内・端林院(京都市左京区田中門前町103-21) http://www.eonet.ne.jp/~hyakusan/koutuu.html ゲスト:スラック・シワラック(タイ、環境・平和運動家、作家) 聞き手・通訳:辻信一(文化人類学者、環境運動家) 参加費:学生1000円、一般1500円(500ナマケ使用可) お申込み・お問合せ:ナマケモノ倶楽部 info@sloth.gr.jp 共催:ナマケモノ倶楽部、(有)ゆっくり堂 協力:JNEB、(株)素敬 ■東京イベント 日時:2011年7月26日(火)18時半~20時半(18時開場) 会場:見樹院本堂(東京都文京区小石川3丁目4−14) http://www.nam-mind.jp/access.htm ゲスト:スラック・シワラック(タイ、環境・平和運動家、作家) 聞き手・通訳:辻信一(文化人類学者、環境運動家) 参加費:学生1000円、一般1500円(500ナマケ使用可) お申込み・お問合せ:ナマケモノ倶楽部 info@sloth.gr.jp 共催:見樹院、ナマケモノ倶楽部、(有)ゆっくり堂 協力:JNEB、(株)素敬 ■スラック・シワラック (Sulak Sivaraksa): 1933年生まれ。歯に布を着せぬ言論活動で知られるタイの代表的な知識人。社会批評家、学者、出版者、活動家として、1960年代末より、仏教僧侶や学生活動家たちと共に、奉仕活動を軸とする、農村の自立発展のための多数のプロジェクトに参画すると同時に、多くのNGO・社会的起業を創設してきた。タイ語と英語による書籍と論文は100点以上にのぼる。代表的な英文著作に、「Seeds of Peace: AContinue reading “INEB創立者「スラック・シワラック氏」7/24京都、7/26東京”
JNEB研修会:「The Economics of Happiness(幸せの経済学)上映のプレ・イベント」
数十年にわたる高度経済成長とグローバル化の恩恵を与った後、日本ではその代償として、リストラ、国や企業、個人が抱える負債、借金問題、コミュニティ社会の解体や個人の無縁化、自殺問題や精神疾患など様々な問題が顕在化してきた。この状況を抜け出す道はあるのだろうか?あるいは、他にどんな選択肢があるのだろうか?このような状況に対し、ヘレナ・ノルバーグ・ホッジとイギリスに本部を置く国際生態学・文化学会(ISEC)は多くの選択肢があることを教えてくれる。
研修会:仏教と地球温暖化
研修会:仏教と地球温暖化 他 に害を及ぼす事や、暴力、生物を殺す事は仏教の基本的な教えに反するものであり、菩薩の誓願は衆生を悟りへ導く事である。しかし、気候変動や種の絶滅など の環境破壊が起きている現代において、仏教者はその誓願を果たすためにどの様な行動を起こしているのでしょうか? 現代社会の中で地球温暖化などの環境破 壊に対して菩薩行を実践している仏教者の一人にナイジェル・クロハルさんがいる。 ナイジェル・クロハル:ホウト湾テラバーダ仏教センター(ケープタウン、 南アフリカ)代表、国際自然保護連合(IUCN)代表.クロハルさんは世界の環境問題に関心のある仏教者と協力し、「仏教と気候変動国際会議」を2012年に予定している。INEBがこの会議を主催する計画で国際連合と欧州連合が協力する事になっている。 今年10月にクロハルさんは名古屋で国際連合の「生物の多様性に関する条約」会議のために日本を訪れる予定。その合間に東京を訪問し、関心のある仏教者や環境問題に取り組む活動家などと対話を求めている。是非、他国の環境問題に関わっている仏教者達から学び、こうした緊急の問題について危機的な意識を共有する機会に参加していただきたい! 日時:2010年10月22日(金) 時間:18:00~ 場所:心光院(港区東麻布1-1-5)
INEB ニューズ:国際活動とイベント
INEB ニューズ 2010年6月 平和と衝突の解決活動: タイ・カンボジア平和行進:INEB理事会員、カンボジア人、ソータさんとタイ衝突の解決専門家、チャリダさんは最近のタイ・カンボジアの問題に対してタイ人・カンボジア人の共同平和活動を始まった。平和行進は5月第三週の予定。連絡:http://ktpr.wordpress.com/ 南タイの衝突の解決活動:INEB関係タイとスリランカの人はスリランカの紛争祖の経験から南タイの民族的宗教的紛争にたいして衝突の解決活動の予定がある。
研修会:ビルマ僧侶 ターワラ師との懇談会
ヤンゴンの目抜き通りが、僧侶の赤い袈裟で埋まったのが3年前。燃料代の高騰が市民の生活を圧迫させていることを憂慮し、僧侶が「慈悲経」を唱えながら歩きました。その時の僧侶の行進に参加した、アシン・ターワラ師が来日されています。当時の状況や、僧侶が市民社会にどのように関わっているのかをお話いただきます。 [講師] ◆アシン・ターワラ師 1984年、イラワディ管区で農家に生まれる。2003年、ダンマサリヤの試験に合格するが、アウンサンスーチー氏と会ったことを理由に資格剥奪。2007年9月19日に結成された全ビルマ僧侶代表委員会の書記長となり、ラングーン市内を市民とともに行進する。その後、当局の追跡を逃れて国内で潜伏し、2008年1月にバングラデシュ国境を越えてダッカのUNHCR事務所で政治亡命を申請。現在はインド・ニューデリーを拠点に、全ビルマ僧侶代表委員会書記長として民主化活動を国外から支えている。詳しい情報–> Brief History of Sangha Movement in 2007 連絡:馬島浄圭 2010年10月8日(金) 17:30~ 場所 心光院(港区東麻布1-1-5) 都営大江戸線「赤羽橋」より徒歩5分 東京メトロ日比谷線「神谷町」より徒歩7分