JNEBの背景
「エンゲージドブディズム」は個人の開放だけでなく、社会的変革や正義の追求を通してすべての生命の開放を目指す仏教的実践です。エンゲージドブディズムは苦の原因に直接働きかけるための社会福祉と安心の実現と、また文化的、構造的な苦しみに対する社会変革を通して実践されるものです。また、個人やコミュニティにおける共同的な仏教の実践を全体的な変化の基礎として強調しています。
INEBは1989年にタイで創設され、現在アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアの20カ国の個人や団体が会員となっています。INEBはおもに仏教系の団体や活動家、精神的なリーダー、研究者を結びつけ、情報を共有しそれぞれが行っている癒しの活動をサポートしています。INEBが根ざしている個人的なつながりは、現代の多文化的文脈にサンガのオリジナル精神によるものです。INEBの参加者は非中央集権的な方法で、様々なコミュニティや地域での活動に従事しています。タイのINEB事務局は情報共有、活動のサポート、つながりを高め、参加者の可能性を高める活動を行っています。

JNEB―組織のあり方
INEBの基本的コンセプトである善知識たちによるインフォーマルであらゆる可能性にオープンな組織。基本的な管理のために6人の運営会がある。
INEBの実行委員や顧問委員会に参加するJNEBのメンバーもいるが、基本的にJNEBは独立した組織であり、自ら方針や活動内容を決定することができる。JNEBの活動内容についてINEB実行委員やバンコクのINEB事務局は制限したり決定することはできないが、kalyanamitra(善知識)に基づくパートナーとしてお互いに協力し会いながら活動を行う。
JNEBの目的
JNEBの主目的は草の根活動を新たに開発することでは無く、国内外の仏教徒による社会活動の効率化を様々な調整によって目指すネットワークである。
- 例1:すでに社会問題に取り組んでいる仏教徒がお互いの活動について学んだり、協力しあう場の窓口、またはネットワークとして機能すること。
- 例2:a) 初心者から上級者まで社会参加する仏教について学ぶ為のイベントを提供すること。
- b) 仲間との交流、つながりを深める目的で普段の活動からひと時離れ、休憩し、例えば禅定などの基本的な修行を実践するプログラムを実施すること。
- 例3:様々な分野の活動家が共同的に活動を行う場合に、適切であれば新たなプロジェクトを開始することや、活動家同士をリンクする特殊機能としての役割を果たすこと。
***以上の活動は基本的に国内の活動を基準にした計画だが、場合によっては他国のINEBメンバーと共同で国際的に行う可能性もある。
主な活動の提案
- INEBのイベント(特に2年に一度のINEB総合会議、隔年の東アジア・フォーラムと)の調整と日本人参加者のサポート
- 情報交換、日本国内の研修会とシンポジウム、海外研修などを通じて他国と日本のエンゲージド・ブディストの交流の場、協力活動をサポート
- 特に若年層向けに仏教者、仏教者以外の人による日本の社会問題に対する創造的な解決への取り組みを目指す
- スタディツアー (苦集滅道ツアー:苦しみを直接見て、対応している実践者から学ぶ)3−5日間
- ワークショップ (入門レベルと上級レベルの養成講座)1−2日間
- リトリート (お互いに佛教実践する:瞑想・念等、人間関係を造る、様々問題を研究する)3−5日間
- エンゲージドブディズムについて英語会話練習(外国会議と活動の参加ために)毎月1−2回
- イベント (他のグループとの交流)
- 様々なメディアを通じて国内外のINEBと他のエンゲージド・ブディスト間連の情報を伝える