数十年にわたる高度経済成長とグローバル化の恩恵を与った後、日本ではその代償として、リストラ、国や企業、個人が抱える負債、借金問題、コミュニティ社会の解体や個人の無縁化、自殺問題や精神疾患など様々な問題が顕在化してきた。この状況を抜け出す道はあるのだろうか?あるいは、他にどんな選択肢があるのだろうか?このような状況に対し、ヘレナ・ノルバーグ・ホッジとイギリスに本部を置く国際生態学・文化学会(ISEC)は多くの選択肢があることを教えてくれる。
映画「The Economics of Happiness(幸せの経済学)」は、ヘレナ・ノルバーグ・ホッジと国際生態学・文化学会(ISEC)により製作、監督されたもので、“経済のローカリゼーション(地域化)”によって、より充実した、持続可能な将来像を示すとともに、世界各地で地域社会の解体を引き起こしているグローバリゼーション(国際化)に対する解毒剤として、経済のローカリゼーション(地域化)が必要であることを訴えている。この映画では、健全で幸福な未来の礎が、経済のローカリゼーション(地域化)にあることが提示されている。そして、活気ある草の根的な取り組みは地域中心の経済が環境や社会、さらには精神面にも多くの利点があるのだということを教えてくれる。
ヘレナ・ノルバーグ・ホッジは2月18~23日に掛けて日本を訪問する予定で、2月19には東京の明治学院大学で、2月20には横浜の孝道山でイベントが行われる。ヘレナは、長年INEBの一員として関わっており、(INEBの日本の窓口である)JNEBのメンバーがこの2つのイベントの制作に取り組んでいる。
また、今回の映画の内容をより理解するためにJNEB主催によるプレ・イベントと勉強会が予定されている。プレ・イベントのリーダーを務めるのは浄土宗見樹院(東京都文京区)および寿光院(東京都江戸川区)住職、大河内秀人。大河内氏は、ヘレナの古くからの友人であり、自らも東京の寺院から持続可能な“より良い生活”のコミュニティづくりに向けて働きかけを行っている。
プレ・イベントには誰でも参加できるが、特に上映会に参加を予定している方にとっては、これらの問題に深く切り込み、上映会をより有意義なものとするまたとない機会となるだろう。
大河内秀人(おおこうち・ひでひと)浄土宗見樹院(東京都文京区)および寿光院(東京都江戸川区)住職。
1957年東京生まれ、1980年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、1982年大正大学仏教学部浄土学コース卒業、1982年〜1986年(財)全国青少年教化協議会勤務、「江戸川子どもおんぶずまん」代表。また、「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」理事として地域に根ざした持続可能な社会のシステムづくりに取り組む。NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン常務理事、NGOジュレー・ラダック理事。
日時:2011年2月9日(水) 時間:18:30~21:30 参加費:無料 場所:見樹院 文京区小石川3-4-14 最寄駅は春日/後楽園で、徒歩10~15分ほど 問い合わせ先(必要) Jon Watts (email: watts@jsri.jp) 日本語可 主催:Japan Network of Engaged Buddhists (JNEB)